遠隔点呼システム

ここでは、運送業における遠隔点呼システムについて解説しています。遠隔点呼とはどのようなものなのかまとめるとともに、システム導入によるメリットなども紹介します。

目次

遠隔点呼とは

遠隔点呼は、国土交通省がトラックやバス、タクシーの事業者に向けて開始した点呼制度のことです。

本人確認や情報共有の確実性を保証する高度な点呼機器やシステムを用いて行います。当該事業者の車庫間や営業所間、グループ企業の営業所間などで実施する点呼を指します。簡単に言うと「強化版 IT点呼」と考えるのがスムーズかもしれません。例えば、営業所ー車庫や車庫ー車庫といった営業所内での遠隔点呼は、認められているのが特徴です。

遠隔点呼システム導入には、特定の性能を備えたカメラ、モニター、アルコール検出器、ドライバーの健康状態監視装置が必要です。これに加え、映像や音声、アルコール検査結果を即時確認・共有する機能、身元詐称を防ぐ生体認証技術、点呼や障害記録の自動保存機能も求められます。また、ドライバー全体を映せる監視カメラの設置も施設要件として必須です。

遠隔点呼システムの流れ

遠隔点呼システムの流れに関する紹介画像

遠隔点呼とIT点呼の違い

遠隔点呼とIT点呼の違いについて気になっている方もいるでしょう。原則として、点呼は運行管理者とドライバーが対面で実施することが前提となっています。遠隔点呼は、「機器・システム要件」「場所・環境要件」といったものがあるため、高度な機能を備えた機器・システムである必要があります。

具体的な両者の違いは、遠隔点呼には実施時間制限があるのに対して、IT点呼には16時間という制限が伴うと言われているのです。条件を比較すると、遠隔点呼には申請後の現地調査が必要なのに対して、IT点呼では行う必要がありません。

遠隔点呼の要件

遠隔点呼には、主に3つの要件があり、以下の通りとなっています。

        
  • 機器・システムが満たすべき要件
  • 場所・環境要件
  • 運用上の順守事項

上記3つが要件となっていますが、これらを細かく分類すると25の項目に分けられるとされています。ここでは、3つについて詳しくご紹介します。

機械・システムが満たすべき要件

遠隔点呼を実施する上で、運行管理者にとって必要な機器やシステムの要件を定義します。

運行管理者が確認しなければいけない情報に以下のものが挙げられえます。

  • 日常の健康状態や指導監督の記録
  • 運転台帳の内容
  • 車両の整備状況など
※参照元:「対面点呼に代わる遠隔点呼が実施できるようになります」|国土交通省(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001472336.pdf

場所・環境要件

場所環境も機械システム要件と同様に、しっかりと必要な環境を整えればクリアできる確率が高まります。カメラやモニタでしっかりとドライバーの顔色を確認できる照度なのかと、500ルクスほどが望ましいと言われています。

運用上の順守事項

事前の情報把握をしておくことが重要です。運行管理者は、自営業所はもちろん、遠隔点呼を行う他営業所の情報を把握しておく必要があります。また、ドライバーの乗車可否判断や遠隔点呼を行えない場合のことも事前に決めておくことが重要です。

参照元:株式会社タイガー

遠隔点呼のメリット

8パターンの遠隔点呼が可能

2021年に遠隔点呼の実証実験が行われ、さまざまな実施パターンが実施されました。国土交通省は、8つのパターンを遠隔点呼実施要綱と定義されています。8つもあるため、自社に合ったパターンを見つけやすいです。

また、パソコンの画面を通して、遠隔点呼と同様の点呼が行えるのもメリットです。

点呼業務の負担軽減につながりやすい

遠隔点呼によって、営業所と車庫が離れている場合は、点呼執行者が営業所から車庫まで移動しなくて済むというメリットが期待できます。また、点呼執行は、点呼のために早朝から出勤し、日中から夜間まで営業所に待機しなければならないこともあります。

遠隔点呼を利用することによって、他営業所と点呼執行者をシェアでき、必ずしも各営業所の点呼執行者が点呼を担当しなくて済むメリットも期待できるでしょう。

人件費の節約につながる

トラックは長距離運送や深夜の運送があり、タクシーは遅い時間に運行などを行わなければなりません。このように、運送業界では早朝や深夜の勤務をこなす必要があります。営業所では、それぞれの点呼時間帯にあわせて運行管理者等を配置しなければならないのです。

遠隔点呼を導入すると、日中や夜間の時間帯に点呼執行者を営業所ごとに配置しないで済むというメリットが期待できます。例えば、早朝や深夜は人件費が高騰しやすいため、その時間帯は複数の営業所の点呼業務を1つの営業所に集約することによって、点呼よりも人件費を削減できます。

運行の安全性向上につながる

遠隔点呼に必要となるシステムでは、点呼の結果やアルコールの測定結果などが自動的に記録・保存されます。虚偽報告や記録の改ざんといった不正防止機能もあり、安全な運行のための点呼の確実性が向上すると考えられます。

また、これまで点呼記録を手書きで作成していた場合は、システムの導入によって、点呼業務の自動化が実現できます。

参照元:アルソック

運送業務に特化したシステム!アネストシステムのBSSの遠隔点呼

bss

※画像引用元:運送業界の管理業務を全多サポート!BXのトビラを開く新しいシステムBSS(https://bss-cloud.info/bss-cloud/

運送業の管理業務をサポートしてくれる

日々の出退勤のほかに、車両や運転者台帳の管理まで幅広くサポートします。

さまざまな業務のタイミングでお知らせして作業漏れを防止

例えば、スタッフが必要な休息時間が確保されているか調べる場合、従来の場合、前回の帰庫点呼や退勤時間などを確認しなければなりませんでした。しかし、BSSならチェック機能や自動計算などを行ってくれるため、対応コストの大幅削減につながります。

運用に合わせて必要な機能を選択可能

出勤や点呼、台帳管理などのほかに、必要に応じてオプション機能を選択できます。必要な機能を選択することによって、自社オリジナルの構成で運用ができるのが魅力。

※画像引用元:運送業界の管理業務を全多サポート!BXのトビラを開く新しいシステムBSS(https://bss-cloud.info/bss-cloud/

BSSの標準機能

  • 出退勤管理
  • 点呼管理
  • 労務管理
  • 社員台帳
  • 車両台帳
  • 改善基準
  • 告示管理
  • タスク管理
  • 診断管理
  • スケジュール・管理

オプション機能

  • 遠隔点呼機能
  • 自動点呼機能

アネストシステムのBSSを
もっと知りたい方はこちら

貸し切りバスの運輸規則改定

2022年に起こった貸し切りバスの死傷事故をきっかけに、貸切の自動車に関する運輸規則が改定されました。
それに際して点呼の記録等についても改正が行われています。どのように変わったのか、気になる方は是非見てみてください。

貸切バスの運輸規則改定について見る

その面倒な業務
DXで解決できます 乗り遅れたくない方はコチラ!
その面倒な業務DXで解決できます:乗り遅れたくない方はコチラ!

運送業務のデジタル化・DX化でどのようなことを実現できるのか、詳しく解説しています。多くの企業でDX化が進む今、時代に取り残されないためにも、いち早く推進しましょう!