遠隔点呼システム

ここでは、自動車運送事業者における遠隔点呼の仕組みや導入要件、IT点呼・自動点呼などほかの点呼方法との違いを解説します。遠隔点呼を導入する際は、使用する機器・システムだけでなく、点呼を行う営業所や車庫、運行管理者等、運用方法が制度上の要件を満たしているかを確認する必要があります。

遠隔点呼に関する制度は改正が続いています。本記事では、国土交通省の告示・通達・届出案内をもとに、2026年8月時点の遠隔点呼の要件と導入手順を分かりやすく整理します。

目次

遠隔点呼とは?

遠隔点呼とは、国土交通省が定める要件を満たした機器・システムを用いて、運行管理者等と運転者等が離れた場所から行う点呼です。映像と音声を通じて、運転者の顔の表情や全身、酒気帯びの有無、疾病・疲労・睡眠不足の状況などを確認します。

点呼は原則として対面で実施しますが、法令では、対面点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法による点呼も認められています。遠隔点呼は、その方法の一つです。

一般的なWeb会議とは異なり、遠隔点呼では、本人確認、アルコール測定結果の連携、点呼に必要な情報の共有、点呼記録の自動保存、不正や機器障害への対策など、告示で定められた機能・環境・運用体制が求められます。

なお、2026年6月の告示改正により、遠隔点呼を実施する関係にある営業所間では、一定の条件のもと、別営業所等に所属する運転者等に対して対面で行った点呼を遠隔点呼とみなす取扱いも追加されています。

※参照元:国土交通省「運行管理高度化ワーキンググループ」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000082.html
※参照元:国土交通省「対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法を定める告示(令和8年6月改正後全文)」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001904753.pdf

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点呼方法の違いが分かる早見表

対面点呼、従来型IT点呼、遠隔点呼、自動点呼、電話などによる点呼は、実施場所、必要な機器、運行管理者等の立ち会い、届出などが異なります。まずは主な違いを一覧で確認しましょう。

比較項目 対面点呼 従来型IT点呼 遠隔点呼 自動点呼 電話などによる点呼
基本的な方法 運行管理者等と運転者等が同じ場所で対面して実施 映像・音声を使い、制度上認められた営業所・車庫などを接続して実施 告示要件を満たす機器・システムを使い、離れた拠点や車内などを接続して実施 国土交通大臣の認定を受けた機器が確認・判定し、運転者等が原則単独で実施 運行上やむを得ず対面等で実施できない場合に、電話その他の方法で実施
運行管理者等の立ち会い 必要 必要 必要 原則不要。ただし、異常時に対応できる運行管理体制が必要 必要
主な実施場所 本人が所属する営業所または車庫 適用要件を満たす営業所・車庫間など 営業所、車庫、事業用自動車内、待合所、宿泊施設など、告示で認められた場所 認定機器ごとに定められた営業所・車庫、車内、待合所、宿泊施設など 遠隔地、宿泊先など、運行上やむを得ない場所
Gマーク 不要 実施範囲によって必要。未取得営業所は利用できる範囲が限定される 不要 不要 不要
本人確認 対面で確認 映像等で確認 運行管理者等と運転者等を、生体認証等で確実に識別 認定機器が定める生体認証等の方法で確認 会話等で確認。映像を伴わない場合は確認できる情報が限定される
記録・保存 紙または電子データで記録・保存 点呼結果やアルコール測定結果をシステム等に記録 点呼結果、アルコール測定結果、画像・動画などをシステムに記録し、原則1年間保存 確認・判定結果をシステムに自動記録し、原則1年間保存 点呼実施者が点呼記録簿等に記録
実施時間の考え方 法令上必要なタイミングで実施 営業所・車庫の組み合わせにより、連続16時間以内などの制限が設けられる場合がある 従来型IT点呼の連続16時間以内という運用枠とは異なり、遠隔点呼の告示要件に従って実施 業務前・業務後など、認定された点呼区分と予定に従って実施 運行上やむを得ない場合に限って実施
主な手続き 通常は点呼方法としての導入届出不要 適用要件や届出方法を管轄の運輸支局等に確認 原則として実施予定日の10日前までに届出。他社と行う場合は、原則2か月前までに管理受委託の許可申請が必要 原則として実施予定日の10日前までに届出 特別な導入届出ではなく、やむを得ない事情と実施内容を適切に記録
向いているケース 同一拠点で運転者の状態を直接確認したい 従来制度の適用範囲内で複数拠点の点呼を集約したい Gマークの有無にかかわらず、複数拠点や車内などを含めて点呼を集約したい 早朝・深夜を含め、点呼業務を省人化したい 宿泊を伴う運行など、対面等の点呼が困難な場合
※制度や実施可能な範囲は、事業種別、点呼区分、使用機器、営業所・車庫の関係などによって異なります。導入前に最新の告示・通達と管轄の運輸支局等の案内をご確認ください。
※参照元:国土交通省中国運輸局「遠隔点呼・自動点呼 解説パンフレット」(https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000363180.pdf

遠隔点呼システムの仕組みと流れ

遠隔点呼では、運行管理者等がいる営業所・車庫と、運転者等がいる営業所・車庫、事業用自動車内、待合所、宿泊施設などを、遠隔点呼機器で接続します。

遠隔点呼システムの流れ

1.事前準備

点呼を行う運行管理者等は、遠隔点呼の実施予定、対象となる運転者等、車両、運行経路、道路状況、過去の点呼記録、健康状態など、点呼と運行に必要な情報を確認します。

2.遠隔点呼を実施

運転者等から点呼の実施依頼を受け、映像・音声、生体認証、アルコール検知器などを用いて本人確認と必要事項の確認を行います。運転者の顔色や全身、酒気帯び、疾病、疲労、睡眠不足、日常点検の結果などを確認し、必要な指示を伝えます。

3.結果を確認・保存

点呼結果はシステムに記録し、実施地点間で共有します。別営業所の運行管理者等が点呼を行った場合は、運転者等が所属する営業所の運行管理者等が実施結果を確認できる体制を整えます。

遠隔点呼とほかの点呼方法との違い

遠隔点呼とIT点呼の違い

遠隔点呼と従来型IT点呼は、どちらも映像・音声を使って離れた場所から点呼を行いますが、制度上の位置付けと対象範囲が異なります。

  • 従来型IT点呼:Gマーク営業所を中心に対象が広げられてきた制度で、営業所・車庫の組み合わせや実施時間などに制約があります。
  • 遠隔点呼:Gマークの有無ではなく、機器・システム、施設・環境、運用体制の要件を満たすことで実施する制度です。

遠隔点呼では、一定の条件を満たせば、営業所や車庫だけでなく、事業用自動車内、待合所、宿泊施設などからも点呼を受けられます。また、許可を受けることで別事業者間の遠隔点呼も可能です。

遠隔点呼と自動点呼の違い

遠隔点呼では、運行管理者または補助者等が映像・音声を通じて点呼を行います。一方、自動点呼では、国土交通大臣の認定を受けた機器が、本人確認、アルコール測定、健康状態などの確認・記録を行います。

自動点呼は運行管理者等がその場に立ち会わずに実施できますが、異常が検出された場合や予定時刻までに点呼が完了しない場合に、運行管理者等が対応できる体制が必要です。

遠隔点呼と電話などによる点呼の違い

電話などによる点呼は、運行上やむを得ない事情により、対面点呼や国土交通大臣が定める方法で点呼できない場合に行う方法です。単に早朝・深夜の人員配置が難しいという理由だけで、通常の点呼を常時電話へ置き換えることはできません。

音声だけでは、運転者の顔色、全身、アルコール検知器の使用状況などを十分に確認しにくいため、遠隔点呼とは確認できる情報量が異なります。

遠隔点呼制度の成り立ちと改正の経緯

ICTを活用した点呼は、Gマーク営業所を中心とする従来型IT点呼から始まりました。その後、営業所の優良性だけでなく、機器・施設・運用の要件を満たすことを基準とする遠隔点呼が設けられ、対象となる場所や事業者の範囲が段階的に広がっています。

時期 主な動き 制度上の意味
2021年度 遠隔点呼の実証実験を実施 営業所・車庫などを接続する複数の実施パターンについて、安全性や機器要件を検証
2022年4月 遠隔点呼制度を開始 機器・システム、施設・環境、運用上の要件を満たすことで、対面点呼に代えて実施できる枠組みが始まる
2023年4月 遠隔点呼と業務後自動点呼を省令・告示に位置付け 実施要領による運用から、法令に基づく恒久的な制度へ移行
2024年 遠隔点呼を受けられる場所を拡大 一定の要件を満たす事業用自動車内、待合所、宿泊施設などでも実施可能になる
2025年 事業者間遠隔点呼と業務前自動点呼の制度・手続きを整備 許可を受けた別事業者間でも遠隔点呼を行えるようになり、自動点呼の対象も業務前へ拡大
2026年6月 点呼告示を改正 一定の条件のもと、遠隔点呼の関係にある営業所の運行管理者等が、別営業所等に所属する運転者等へ対面で行った点呼を遠隔点呼とみなす規定を追加

このように、遠隔点呼は、単に従来型IT点呼の機器を高機能化したものではありません。対象となる営業所・車庫・運転者等の関係、使用する機器、実施場所、運用体制、届出を含めて、独立した制度として確認することが重要です。

※参照元:国土交通省「遠隔点呼を実施できるようになります」(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000489.html
※参照元:国土交通省「道路運送法施行規則等の一部を改正する省令等が公布されました」(https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha02_hh_000561.html
※参照元:国土交通省「令和8年国土交通省告示第792号」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/002008414.pdf

遠隔点呼の導入要件

遠隔点呼を導入できるか確認するときは、「事業者要件」「設備要件」「運用体制要件」の3つに分けると整理しやすくなります。

事業者要件

  • Gマークの取得は必須ではありません。
  • 法令に基づく運行管理者等の選任・届出が適切に行われている必要があります。
  • 点呼を行う側と受ける側の営業所・車庫・運転者等の関係が、告示で認められた組み合わせに該当している必要があります。
  • 点呼を行う営業所と対象となる場所は、原則として同一の事業・種別に該当している必要があります。
  • 別事業者の運行管理者等が遠隔点呼を行う場合は、事業者間遠隔点呼に係る業務の管理受委託について、国土交通大臣の許可が必要です。
  • 遠隔点呼を行う営業所と受ける営業所の双方について、管轄の運輸支局等へ届出を行います。

遠隔点呼を導入しても、営業所ごとに必要な運行管理者等の選任義務がなくなるわけではありません。点呼業務を集約する場合も、各営業所で必要な運行管理体制を維持する必要があります。

設備要件

遠隔点呼では、運行管理者等が対面点呼と同等に必要事項を確認し、結果を正確に記録できる機器・システムと施設環境が必要です。

機器・システムに必要な主な機能

  • 運行管理者等と運転者等が、映像と音声で途切れずにやり取りできる機能
  • 運転者等の顔の表情、全身、酒気帯び、疾病、疲労、睡眠不足などを随時明瞭に確認できる機能
  • アルコール検知器の測定結果を自動的に記録・保存し、運行管理者等が直ちに確認できる機能
  • 運行管理者等と運転者等を、生体認証等によって確実に識別できる機能
  • 日常の健康状態、労働時間、指導監督の記録、携行品、乗務員等台帳、過去の点呼記録、車両の整備状況などを共有・確認できる機能
  • 運転者の健康状態を平時と比較して確認できる機能
  • 日常点検の結果や運転者等に伝える指示事項を確認できる機能
  • 点呼日時、実施者、運転者等、車両、確認結果、指示内容、アルコール測定結果、点呼時の画像・動画などを記録・保存できる機能
  • 点呼記録を実施地点間で共有し、原則1年間保存できる機能
  • 記録を改ざん・消去できない、または修正前の情報を保存できる機能
  • 必要な記録をCSV形式で出力できる機能
  • 機器故障の日時と内容を記録し、原則1年間保存できる機能

施設・環境に必要な主な条件

  • 運行管理者等が運転者等の顔色や全身を明瞭に確認できる明るさを確保すること
  • なりすまし、アルコール検知器の不正使用、指定場所以外での実施を防止できるよう、運転者等の全身を確認できる撮影機器を設置すること
  • 映像・音声が途切れず、会話の内容を聞き取れる通信環境を確保すること
  • 営業所・車庫以外で実施する場合も、複数の画角や可動式端末などにより全身を確認できること
  • 会話内容や健康情報などが周囲に漏れにくい環境を整えること

一般的なWeb会議システムで映像と音声がつながるだけでは、遠隔点呼の要件を満たすとは限りません。導入前に、使用する機器・システムが最新の告示要件に対応しているか、提供会社と管轄の運輸支局等へ確認しましょう。

運用体制要件

設備を導入するだけでは、遠隔点呼を開始できません。運行管理規程や社内マニュアルに実施方法を定め、次のような体制を整える必要があります。

  • 遠隔点呼の対象、実施方法、確認項目、記録方法、役割分担を運行管理規程に明記すること
  • 運行管理者等と運転者等へ、機器の操作や遠隔点呼の手順を教育・指導すること
  • 運行管理者等が、運転者等、車両、運行経路、道路・交通情報など、運行に必要な情報を事前に把握できる体制
  • 点呼を行う運行管理者等が対象の運転者等と面識がない場合、事前に対面またはオンラインで面談し、顔、健康状態、必要事項を確認する仕組み
  • 運転者等が車内・待合所・宿泊施設などにいる場合、事業者が定めた場所で点呼を受けていることを確認できる仕組み
  • 運行中の車両位置を把握し、点呼の未実施を防止する体制
  • 酒気帯びや健康状態の異常などにより運転者等が業務不可となった場合、所属営業所へ直ちに報告し、乗務中止や代替措置を講じる体制
  • 通信障害や機器故障で遠隔点呼を実施できない場合、対面点呼その他の適法な方法へ切り替える手順
  • 生体情報、映像、音声、健康情報などの取扱いルールを定め、必要な同意を取得すること
  • 点呼の実施状況や記録を定期的に確認し、未実施や不適切な場所での実施を防止する体制
  • 点呼記録を法令・告示で定められた期間保存し、監査時に提示できる管理体制
※参照元:国土交通省「対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定める方法を定める告示(令和8年6月改正後全文)」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001904753.pdf
※参照元:国土交通省中国運輸局「遠隔点呼・自動点呼 解説パンフレット」(https://wwwtb.mlit.go.jp/chugoku/content/000363180.pdf

遠隔点呼を導入・申請して運用する手順

遠隔点呼は、要件の確認、対象範囲の決定、事前相談、機器選定、届出、教育、試験運用の順に進めるとスムーズです。

1.現在の点呼業務と課題を整理する

どの営業所で、誰が、何時に、何人の運転者等へ点呼を行っているかを整理します。早朝・深夜の配置負担、営業所と車庫の移動、点呼の待ち時間、記録ミスなどを洗い出し、遠隔化する範囲を明確にします。

2.対象となる営業所・車庫・運転者等を決める

同じ営業所の車庫との間で行うのか、同一事業者の別営業所との間で行うのか、車内・待合所・宿泊施設まで対象にするのかを決めます。他社との間で行う場合は、事業者間遠隔点呼の許可が必要になるため、委託側・受託側の役割も整理します。

3.管轄の運輸支局等へ事前相談する

対象となる営業所・車庫・運転者等の所属関係、実施場所、使用予定の機器、運用方法を整理し、管轄の運輸支局等へ事前に相談します。複数の運輸支局等にまたがる場合や、他社との間で実施する場合は、必要書類と提出先を早めに確認しましょう。

4.遠隔点呼システム・機器を比較して選定する

カメラやマイクの性能だけでなく、アルコール検知器との連携、生体認証、情報共有、点呼記録、画像・動画の保存、改ざん防止、CSV出力、故障記録、サポート体制などを比較します。実際の点呼場所で映像・音声・通信が安定するかも確認します。

5.施設・通信環境と運行管理規程を整える

点呼場所の照明、カメラの設置位置、全身を確認できる画角、通信品質、プライバシーを確認します。あわせて、実施者、対象者、確認項目、異常時対応、通信障害時の代替方法、個人情報の取扱いなどを運行管理規程や社内マニュアルに定めます。

6.必要な許可申請・届出を行う

同一事業者内で遠隔点呼を行う場合は、原則として実施予定日の10日前までに、遠隔点呼を行う営業所と受ける営業所の双方を管轄する運輸支局等へ届出を行います。

別事業者間で遠隔点呼を行う場合は、事業者間遠隔点呼に係る業務の管理受委託許可申請を、原則として実施予定日の2か月前までに、受託営業所を管轄する運輸支局等へ提出します。許可を受けた後、遠隔点呼の実施届出を原則10日前までに提出します。

提出様式や添付書類は改正されることがあるため、国土交通省の最新様式と管轄の運輸支局等の案内を確認してください。

7.教育と試験運用を行う

運行管理者等と運転者等に対し、端末の操作、生体認証、アルコール測定、確認項目、異常時の連絡、通信障害時の切替方法などを教育します。本格稼働前に試験運用を行い、映像・音声、測定データ、記録保存、情報共有が正しく機能するかを確認します。

8.本格運用と定期的な見直しを行う

運用開始後は、点呼漏れ、記録不備、通信障害、機器故障、不適切な場所での実施などを定期的に確認します。制度改正、営業所・車庫の追加、実施場所の変更、システム更新があった場合は、変更届や運行管理規程の見直しが必要か確認しましょう。

※参照元:国土交通省「遠隔点呼、自動点呼の実施に関する情報・関係書類一覧」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_tk2_000082.html

遠隔点呼のメリット

点呼を受けられる場所の自由度が高まる

遠隔点呼では、告示の要件を満たすことで、営業所・車庫だけでなく、事業用自動車内、待合所、宿泊施設などから点呼を受けられます。点呼のためだけに営業所へ移動する負担や、出庫・帰庫時の待ち時間を減らしやすくなります。

点呼業務の負担を分散・集約しやすい

営業所と車庫が離れている場合でも、点呼担当者が移動せずに点呼を行えます。また、制度上認められた範囲で、複数営業所の点呼を一つの拠点へ集約し、運行管理者等の業務を平準化できます。

ただし、点呼を集約しても、各営業所に必要な運行管理者等の選任義務がなくなるわけではありません。

早朝・深夜の配置負担や人件費を見直しやすい

運送業では、早朝・深夜にも点呼が必要です。遠隔点呼によって複数拠点の点呼業務を集約できれば、各拠点で点呼担当者を長時間待機させる負担を軽減し、勤務体制や人件費を見直しやすくなります。

点呼記録の正確性と利便性が高まる

点呼結果やアルコール測定結果などをシステムへ自動的に記録・保存できるため、手書きによる記載漏れや転記ミスを減らせます。記録の検索・共有・出力もしやすくなり、社内確認や監査対応の効率化にも役立ちます。

点呼の確実性と安全管理の標準化につながる

本人認証、確認項目の表示、アルコール測定結果の連携、記録の改ざん防止などにより、点呼のなりすましや確認漏れを防ぎやすくなります。複数拠点で同じ確認手順を運用することで、担当者ごとのばらつきも抑えやすくなります。

遠隔点呼のデメリット・注意点

導入費用と運用費用がかかる

カメラ、通信機器、アルコール検知器、生体認証機器、点呼管理システムなどの費用がかかります。拠点数や連携機器が多い場合は、初期費用だけでなく、月額利用料、保守費、機器更新費も確認しましょう。

通信環境に左右される

映像や音声が途切れると、運転者等の状態を適切に確認できません。通信が不安定な地域や車内で実施する場合は、実際の利用場所で接続テストを行い、通信障害時の代替手段を用意する必要があります。

照明・画角・プライバシーへの配慮が必要

運転者等の顔色や全身が明瞭に見える照明と画角を確保する必要があります。また、点呼では健康情報やアルコール測定結果などを扱うため、会話や画面が周囲から見聞きされにくい環境も必要です。

操作教育と異常時対応の訓練が必要

運行管理者等や運転者等が操作に慣れるまで、点呼に時間がかかる場合があります。操作手順だけでなく、本人認証に失敗した場合、異常値が出た場合、機器が故障した場合の対応も教育しておきましょう。

システムだけで安全を担保できるわけではない

遠隔点呼システムは確認と記録を支援するものです。運転者等の状態を見極め、必要に応じて乗務を中止させ、代替措置を講じる判断は、運行管理者等の重要な業務です。業務効率化だけでなく、安全性を維持・向上できる運用を設計しましょう。

遠隔点呼に関するよくある質問

遠隔点呼を導入するにはGマークが必須ですか?

必須ではありません。遠隔点呼は、Gマークの有無ではなく、機器・システム、施設・環境、運用体制などの告示要件を満たし、必要な届出を行うことで実施できます。

スマートフォンとWeb会議アプリだけで遠隔点呼を行えますか?

映像・音声がつながるだけでは、制度上の要件を満たすとは限りません。生体認証、アルコール測定結果の自動記録、点呼情報の共有、画像・動画を含む記録保存、改ざん防止、CSV出力、故障記録など、告示に応じた機能が必要です。

遠隔点呼には16時間の時間制限がありますか?

従来型IT点呼では、営業所・車庫の組み合わせによって、1営業日のうち連続する16時間以内などの制限が設けられる場合があります。遠隔点呼は従来型IT点呼とは別の告示要件で運用されるため、同じ時間制限をそのまま当てはめるものではありません。

車内や宿泊施設から遠隔点呼を受けられますか?

一定の条件を満たせば可能です。運転者等が従事する運行に係る事業用自動車内、待合所、宿泊施設などが対象となります。事業者が定めた場所で点呼を受けていることを映像等で確認できる体制が必要です。

別会社の運行管理者等に遠隔点呼を任せられますか?

所定の要件を満たし、事業者間遠隔点呼に係る業務の管理受委託について国土交通大臣の許可を受ければ実施できます。許可申請は原則として実施予定日の2か月前までに行い、許可後に遠隔点呼の実施届出を行います。

通信障害や機器故障が起きた場合はどうしますか?

遠隔点呼を中断し、対面点呼その他の法令上認められた方法へ切り替えます。誰が代替点呼を行うか、どの方法へ切り替えるかをあらかじめ運行管理規程やマニュアルに定め、教育しておく必要があります。

運送業務に特化したシステム!アネストシステムのBSSの遠隔点呼

アネストシステムのBSS

※画像引用元:アネストシステム「BSS(Business Support System)」(https://bss-cloud.info/bss-cloud/

アネストシステムのBSSは、運送業向けの管理業務をクラウド上で一元化するシステムです。点呼管理をはじめ、出退勤、労務、社員台帳、車両台帳などの機能を備え、オプションとしてIT点呼、遠隔点呼、業務前・業務後自動点呼などに対応しています。

実際に利用できる点呼方法や機能は、契約内容、導入機器、点呼を行う場所、営業所の要件によって異なります。遠隔点呼を導入する際は、BSSの機能だけでなく、使用する機器構成と自社の運用が国土交通省の告示要件を満たすかを確認しましょう。

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日々の出退勤や点呼に加え、社員・車両台帳、労務、改善基準・告示、診断、指導記録など、運送業務に必要な情報をまとめて管理できます。

必要なタイミングで通知し、作業漏れを防止

休息時間の不足や点呼の未実施など、確認が必要な項目を通知することで、作業漏れを防ぎやすくなります。担当者が複数の台帳や記録を個別に確認する負担の軽減にもつながります。

運用に合わせて必要な機能を選択可能

標準機能をベースに、IT点呼、遠隔点呼、自動点呼などのオプション機能を追加できます。自社の拠点数、点呼方法、管理したい業務に合わせて構成を選べます。

BSSの主な標準機能

  • 出退勤管理
  • 点呼管理
  • 労務管理
  • 社員台帳
  • 車両台帳
  • 改善基準・告示管理
  • タスク管理
  • 診断管理
  • スケジュール管理
  • 日常点検
  • アルコール測定結果管理

点呼に関する主なオプション機能

  • IT点呼機能
  • 遠隔点呼機能
  • 業務前自動点呼機能
  • 業務後自動点呼機能

アネストシステムのBSSとは?

BSSの仕組み

貸し切りバスの運輸規則改定

2022年に発生した貸切バスの事故を受け、貸切バスの安全対策が見直され、点呼の録音・録画や記録保存などに関する制度改正が行われました。貸切バス事業者は、トラック事業者向けの遠隔点呼要件と混同せず、旅客自動車運送事業に適用される規則を確認する必要があります。

貸切バスの運輸規則改定について見る

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