EC市場の拡大に伴う
物流量の増加

荷物

ここではEC市場の拡大がトラック輸送業界にどのような影響を与えているかについてリサーチ。物流量の増加や3PLビジネスが急成長している理由や、今後のEC物流の市場規模について解説しています。

目次

3PL市場規模の拡大

近年、EC事業者の割合が高くなっていることに伴い、3PLの市場規模が拡大しています。3PLとは荷主企業と運送会社を仲介する第3者の物流事業者のことで、3rd Party Logistics(サードパーティ・ロジスティクス)の略です。

これまでは荷物の輸送は運送会社に、保管については倉庫に委託するケースが多かったのですが、3PL事業者はこれらの物流機能を包括したサービスを提供。物流センター業務、配送業務、情報システム業務を担います。

EC市場の拡大は多頻度小口輸送を増加させました。経済産業省の資料によると直近の20年で貨物量が半減する一方で物流件数倍増。こうした流れに対応し業務効率化を実現する3PL事業者へのアウトソーシング化が進んでいるのです。

※参照元:(PDF)経済産業省「我が国の物流を取り巻く現状と取組状況(2022年9月2日)」(https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sustainable_logistics/pdf/001_02_00.pdf

EC物流の市場規模が拡大している理由

コロナ渦の影響で巣ごもり需要が増加

EC物流の市場規模が拡大した理由はコロナ禍の影響が大きいと言えます。経済産業省の調査によると、2021年のBtoC-ECは前年比7.35%増で、19.3兆円から20.7兆円に拡大。物販系分野の大幅な市場規模拡大につながったとしています。

これは新型コロナウイルス対策で外出自粛が呼びかけられ、旅行などサービス系は抑えられ、食品・飲料や生活家電、衣類など以前は店舗で購入していたものをネット通販で購入する割合が高くなったからと考えられます。

※参照元:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」(https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005.html

EC事業者が配送サービスを拡充

物販系のEC市場拡大に合わせ、EC事業者が配送サービスを拡充していることもEC物流が活発化している要因となっています。EC各社は顧客獲得のために無料配送や当日・翌日配送など配送サービス充実の競争が起きています。

こうしたサービス拡充は物流業者にとっては業務を煩雑化し利益を圧迫します。そのため物流サービスのアウトソーシングなど、在庫管理や受注管理、出荷、配送管理まで委託できる業者の利用が増加しているのです。

EC物流の今後の市場規模の成長予測

経済産業省の調査資料によるとBtoC-EC市場は、世界的にも新型コロナウイルス感染症拡大を背景にEC需要が増加し、2021年4.92 兆USドル、EC化率は19.6%と推計。今後も市場規模の拡大と成長は続くと予測しています。

2025年には7.39兆USドル、EC化率は24.5%にまで上昇するとしており、BtoC-EC市場規模は中国52.1%、アメリカ19.0%に比べ、日本は3.0%。EC物流はより効率化が進めば、さらに成長が期待できる市場と考えられます。

※参照元:(PDF)経済産業省「電子商取引に関する市場調査(p.101)」(https://www.meti.go.jp/press/2022/08/20220812005/20220812005-h.pdf

物流量増加に備えてデジタル化のススメ

運送・輸送業界では今後の物流量増加に備えて、いかにデジタル化を進められるかが成長のカギとなります。AI技術の活用や顧客管理や配送管理、車両管理などのシステム化は人手不足をカバーします。

多頻度小口輸送の増加で、配送ロスを生みやすいのが再配達です。再配達を削減するには、荷物を受け取る側が配送日時を指定しやすくしたり、自宅にいる確率が高い時間帯を推測できるシステムを導入することで可能になります。

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