ここでは運送業のデジタル化が進まないのはなぜなのか、その理由についてリサーチ。背景として考えられることや内部的な要因などを紹介し、今後DXに取り組むことでどのような効果が得られるのかについて解説します。
デジタル化が進まない運送業界
車両位置情報管理システムを提供するドコマップジャパンが2022年4月に行った、「運送業界のDX実態」に関する調査によると運送業の経営者の約7割がドライバー不足や労働時間問題などを理由にDX推進は重要と回答しています。
その一方で、DXを十分に進められていると回答したのは12.9%。「全くそう思わない」「あまりそう思わない」を合計すると75.2%になり、重要性を感じながらも思うようにデジタル化が進んでいないことがわかります。
また運送業経営者の76.2%が「DXの実現によって、運送をより一層効率化していく必要性」を実感しており、DX化が進まない要因を解消できればその先の効果について運送業の経営者が期待していることが窺えます。
なぜデジタル化が進まないのか
推進できるノウハウ・人がいない
先述の調査でDX推進の課題としてノウハウがないと回答したのが51.3%でした。明確なビジョンや戦略がない31.6%であることからも、やりたくてもどう進めればよいかわからないというのが実態と考えられます。
また現状の業務が手一杯で余裕がないが30.3%、精通した人材がいない・雇う当てがない28.9%などDXを進められる人材が不足していることも理由としてあります。本業ですら人材不足なのにDXまでは考えられないというのが本音でしょう。
デジタル化に関する理解不足
デジタル化については、経営者が理解していても、現場や取引先からの理解が得られないことがあります。先の調査でもDX推進の課題として取引先からの理解・協力が得られない25.0%、現場サイドの抵抗が10%あります。
これには運送業の取引形態が一次下請、二次下請が多く多重構造になっていることも関係します。また運行予定変更や突発的な仕事の依頼などイレギュラー要素があり標準化したシステムが導入しにくい部分もあります。
デジタル化に取り組まないと求人が難しくなる?
デジタル化が難しいとしても、取り組まないと周囲から取り残されることになります。他の多くの業界では、デジタル化が当然のように進められているからです。
また運送業にとって人材不足は大きな課題の一つですが、デジタル化をしてないと求職者から避けられ、選ばれにくくなります。荷主企業からもアナログのままで生産性の低い会社と評価され、依頼されなくなる可能性も出てきます。
運送業務をデジタル化するとどうなる?
運送業務をデジタル化するとどんな効果が得られるのか、今一度整理してみましょう。まず、これまで紙で行っていた配送伝票の処理をデジタル化するだけで、紙や印刷コストが削減でき、紛失や改ざんリスクも軽減できます。
また、システム化により配送業務全体を可視化することで、トラックの現在地や到着予定時間などをが把握しやすくなり業務効率が向上します。今よりも少ない車両台数とドライバーで現在と同程度の業務パフォーマンスを得ることが可能になります。
最初から完璧を求めなくても、できることから始めれば社内外でデジタル化するメリットが理解されるようになるでしょう。そうなれば滞っていた業務システム化が一気に進むことも考えられます。
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