運送業界における「傭車」とは？

そもそも傭車（ようしゃ）とは？

「傭車」とは運送会社などが繁忙期や人手不足によって自社だけで輸配送業務をまかなえない時に、他の運送会社などへ業務をアウトソーシングすることであり、「傭兵」と「車」を組み合わせて「傭車」という言葉が使われています。

傭車と下請けに違いはあるか？

基本的な概念として、自社が請け負った輸配送業務を他の運送会社などへ下請けに出すことが傭車であり、言葉として「傭車」と「下請け」の間に明確な違いはありません。

ただし一般的に、運送会社として法人経営されている企業へ依頼する場合は「下請け」と呼び、個人事業主として配送業務を営んでいる個人ドライバーへ依頼する場合は「傭車」と呼んでいる場合が多いようです。

傭車は違反になるのか？

傭車を利用すること自体は違法や違反に該当しません。ただし、傭車を利用するためにはあらかじめ「貨物利用運送事業」の登録もしくは許可が必要です。

もし貨物利用運送事業の登録・許可を取得しないまま傭車を依頼すると、その場合は違法となります。

傭車のメリット

傭車を利用することで自社の従業員の負担を軽減しつつ、輸配送業務を実行することが可能になります。そのため人手不足に悩んでいる運送会社や、業務効率化が進んでいない運送会社にとっては心強い味方になることもあるでしょう。

傭車のデメリット

傭車は下請けに委託料を支払わなければならないため、収益性は当然ながら悪化します。また信頼できない業者やドライバーに傭車を任せると、自社の信用が損なわれてしまう恐れもあります。

運送業務の効率化には傭車だけでなくデジタル化も有効

傭車は、繁忙期に自社の従業員の業務負担を軽減するには有効ですが、一方で利益が減るというデメリットがあることも事実です。繁忙期でも自社のみで乗り越えられる体制を作り上げることが、利益拡大のために必要となってくるでしょう。

将来的な運送業務の効率化を考えた場合、デジタル化の導入によって抜本的な業務負担の軽減やコスト計算の一元管理を検討することもおすすめです。