燃料価格の高騰

燃料

ここでは社会全体の問題となっている燃料価格の高騰の現状について調査を行い、それが運送業界にどのような影響を与えるかについて解説しています。またトラック輸送会社や業界ができる対策についても紹介しています。

【トピック】政府の現行対応:定額補助による価格抑制

政府は2025年春のガソリン価格が1リットルあたり185円前後と高止まりしている現状に対し、5月22日から「燃料油価格定額引下げ措置」を導入しました。これはガソリンと軽油に10円、灯油と重油に5円、航空燃料に4円を元売業者に補填し、その分が店頭価格に反映される仕組みです。

また、この定額補助は毎週見直されており、たとえば7月17~23日には11.3円、7月31日~8月6日には10円と変動しています。6月26日からは市場の急変に備えて自動的に補助が発動する「予防的激変緩和措置」も追加され、価格の急騰による混乱を防ぐ狙いがあります。

ガソリン政策の転換:補助から減税へ

2025年7月30日、与党(自民・公明)と野党4党は、1970年代から続いていたガソリン暫定税率(1リットルあたり25.1円)の年内廃止で合意しました。

この合意により、短期的な補助金から、より恒久的な税制改正へと政策の軸足が移ることになります。臨時国会(8月1日招集)で関連法案の審議が行われ、早ければ年内にも減税が実施される見通しです。

今後の見通し:制度設計と課題

ただし、減税が実現しても「トリガー条項」の凍結解除や道路特定財源の穴埋めなど制度面の詳細は未定であり、当面は現行の定額補助が継続されることが資源エネルギー庁の公式サイトにも記されています。

政府は秋の臨時国会で税制改正と補助金終了に向けた工程表を提示する予定で、2025年後半には補助から減税への本格的な移行がガソリン価格に大きな影響を与えると見込まれます。

参照元:資源エネルギー庁公式HP(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/gasoline_price_shien_2025.html

参照元:山陰中央新報デジタル公式HP(https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/830589

燃料高騰による運送業への影響

ロシアによるウクライナ侵攻なども影響し原油価格の高騰が続いています。それは多くの業界に経済的ダメージを与えていますが、トラックで荷物を運ぶ運送業界にとっても大きな打撃となっておりその影響は深刻化しています。

軽油価格は21年1月からの1年間で25円値上がりし、業界紙の物流ニッポンの試算によるとトラック業界の1年の負担増はおよそ3700億円になるとしています。そうした状況の中でも価格転嫁が進んでおらず運送会社の経営を圧迫しています。

帝国データバンクの2022年12月調査によると、運輸・倉庫業の価格転嫁率は20%で、鉄鋼・非鉄卸や化学品卸が60%を超える中で低水準です。このままでは、荷物を運ぶほど赤字になり、運送会社の経営破綻が懸念されます。

※参照元:物流ニッポンHP(https://logistics.jp/pickup/2022/02/15/24524/
※参照元:TDB(帝国データバンク) Economic Online(https://www.tdb-di.com/special-planning-survey/sp20230123.php

運送業者が考えるべき燃料高騰対策

燃料サーチャージ制の導入

燃料サーチャージとは燃料価格の上昇・下落によるコストの増減分を別建ての運賃としてて請求する仕組みのこと。国土交通省では平成20年3月に「トラック運送業における燃料サーチャージ緊急ガイドライン」を制定しました。

軽油価格高騰に対し運賃転嫁が困難なことや、運賃の収受等取引の適正化の必要性から制定されたもので荷主・元請・下請の関係者による協働のための枠組みとして設けられました。運賃額の根拠を数字で示すことで荷主企業との交渉をしやすくなります。

※参照元:(PDF)国土交通省 資料(https://www.mlit.go.jp/common/000211177.pdf

燃料消費を抑えるエコドライブ

交渉や手続きなしですぐに始められる対策としてはハイブリッド車など低燃費な車両の導入やエコドライブを心がけることで少しでも燃料消費を抑える行動です。地味ですが日々の積み重ねにより燃料費の負担を軽減できます。

エコドライブとは急発進・急加速をしない、荷物の積込みや荷降ろし時の無駄なアイドリングをしない運転です。また日頃から車両の燃費を把握するよう習慣化することにより、エコドライブの意識を高めることができます。

業務の見直し・効率化によるコスト削減

コスト削減につながる行動として企業でよく行われることの一つに業務の見直しや効率化があります。車両管理を徹底し現在よりも少ない車両台数で配送することができれば、その分の燃料消費量を減らすことができます。

車両台数を減らすための見直しポイントは配送ルートです。使用するルートが習慣化されていると見失いがちですが、配送コースを組み替えたり、納品回数を減らすなど効率化により走行距離を短くできれば大きなコスト削減につながります。

運送業務をデジタル化してコスト削減を

燃料高騰対策で業務効率化を突き詰めて考えるとデジタル化が必須になることがわかります。書類での手続きを電子化するだけでも効率アップになりますが、運送業には点呼や配車管理など他にもデジタル化に向く業務があります。

配車は荷物量や運送先、車両数などを割り当てたり、輸送実績を記録し伝票を集計するなど一連の業務を人が行うのは手間と時間がかかります。これをデジタル化すればスピーディーに計画が立てられますしミスの防止にもなります。

また運転日報もデジタル化するとフォーマットが統一され、スマホ入力できたり走行時間や距離数を自動記録できればドライバーの負担も減らせます。燃料高騰問題はこれまで遅れていたデジタル化を進めるチャンスとも言えるでしょう。

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