運送業のホワイト化推進ナビ » まだ大丈夫ではもう遅い!運送業界のDX化で業務改善

まだ大丈夫ではもう遅い!
運送業界のDX化で業務改善

ここでは点呼管理や車両台帳など代表的な運送業の業務内容を整理。それぞれどのような課題があり今度どうなることが予想されるのかをまとめました。また各業務をデジタル化することのメリットについてもご紹介します。

そもそも運送業DXとは

国土交通省「最近の物流政策について」という資料によると、運送業DXは「機械化・デジタル化を通じて物流のこれまでの在り方を変革すること」と定義されています。(参照元:https://www.mlit.go.jp/common/001388194.pdf)
ドローン配送や自動運航船、倉庫内作業の自動化といった「機械化」とAIなどの技術を連携させることで、情報やコストを可視化した業務プロセスを標準化。業務の効率化を図り、物流業界が直面している課題を解決することが目的です。
具体的には、「手続きの電子化や配車管理のデジタル化」「トラック予約システムの導入」「AIで倉庫の利用動向を予測して迅速な配送の実現」などを想定しています。

運送業DXが必要な背景

EC市場が急成長して、個人宅への小口配送が急増しました。小口配送が多いと、トラックの積載率は低下します。また、倉庫内での在庫管理が複雑化してしまうという課題も生じました。結果として業務全体の効率が悪化しています。
さらに、物流業界は人手不足に悩んでいる業界のひとつです。就労者の年齢層は、若年層の割合が低く高齢層の割合が高い傾向があります。業務効率の悪化と人手不足によって、長時間労働など、過酷な労働環境になっていることが課題です。労働環境の問題から、ますます人手不足が加速します。

最近では、燃料コストが高騰しているため、本来大幅な値上げが必要です。しかし、価格競争は激化しており、大きく値上げも難しく、利益を圧迫しています。利益が確保できないため、賃金の上昇もできません。ますます、働き手が増えないという悪循環が起こっているのです。
加えて2024年には、時間外労働の上限規制が適用されます。人手不足でもある中、労働時間も今より減ることを考えると、物流業界にとって業務効率化は避けて通れない課題です。

人手を増やせない以上、頼るべきはデジタルツール。物流業界は運搬がメイン業務であるために、デジタルツールの活用が遅れている業界でした。デジタル活用による業務効率アップの余地は大いにあるということです。運送業DXは、物流業界を変革する切り札になるでしょう。

ワークフローシステムの導入が運送業DXに役立つ

運送業DXは、単にデジタル化をすることを目的にしてはいけません。目的はビジネスモデルの変革。効率をアップして、労働者の負担を減らし、人手不足の解消に役立てることが大切です。
しかし、これまでデジタルを活用してこなかったところに、いきなり複雑なDXを仕掛けても使いこなせません。まずはワークフローシステムの導入から行いましょう。ワークフローシステムとは、業務の流れを電子的に構築したシステムのことです。システムの誘導に従って業務をこなせば一連の業務が完了します。ワークフローシステムを導入すれば、業務の大幅な削減が実現可能です。

ワークフローシステムの導入メリット

各業務のデジタル化が可能

ワークフローシステムを導入すると、各業務がデジタル化できます。作業ごとに別のツールを使うのではなく、一連の業務がひとつのシステムで完了するのがメリットです。
たとえば、伝票や送り状といった紙が多く取り扱われている倉庫業務。紙を扱うことによる業務の煩雑さをデジタル化することでスマートにできます。伝票類のデジタル化が実現すれば、紙の管理の手間やコストが削減できることに加えて、紙に書かれているデータの活用も可能です。ワークフローシステムを導入すれば、配送手続きの一連の業務がフローに沿って流れていきます。

従業員管理もワークフローシステムの導入で大きな改善を見込める業務です。勤務状況や日報による業務報告をデータとして管理します。今後、時間外労働の管理も厳しく行わなければいけません。時間外労働が多い従業員に対してはアラートを出すといったことも可能です。データを集計して業務に潜んでいるボトルネックを洗い出し、さらなる業務改善に取り組めます。

運送業務のDX化で効率化を目指そう

出退勤管理

運送業の勤怠管理は夜勤や直行直帰、輸送時間が長い、手待ち時間があるなど管理項目が多く煩雑になりがち。デジタル化は運送業に特化したシステムを選ぶのがポイントです。

運送業の出退勤管理について
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点呼管理

目視や紙による点呼は記入漏れやミスが生じやすいことが課題。デジタル化するとそうしたミスが減るだけでなく、時間の短縮やペーパーレス化により保管場所も不要になります。

運送業の点呼管理について
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遠隔点呼

遠隔点呼は、国土交通省がトラックやバス、タクシーの事業者に向けて開始した点呼制度のことです。本人確認や情報共有の確実性を保証する高度な点呼機器やシステムを用いて行います。

運送業の遠隔点呼について
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労務管理

時間外労働時間の上限が制限される2024年問題から運送業の労務管理の重要性が高まっています。出勤・退勤時間を明確化させるためデジタル化を含めた体制の再構築が必要です。

運送業の労務管理について
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社員台帳

運送業では運転者台帳を作成しますが、更新が頻繁にありメンテナンスに手間がかかり3年の保管義務があります。デジタル化すると情報の検索、編集、保管が楽になります。

運送業の社員台帳について
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車両台帳

社員と車両の安全のため運送業では車両台帳を作成し、トラブル発生時の対応に備えます。デジタル化のメリットは車両情報の一元管理化、記載・入力ミスの防止、コスト削減です。

運送業の車両台帳について
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診断管理

事故防止や安全運転のため定期健康診断や運転適性診断の受診は運送業に必須。心配される受診漏れはスケジュール管理のデジタル化により、忘れやうっかりミスを防止できます。

運送業の診断管理について
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違反記録管理

運転者台帳には氏名、住所などの基本情報の他に事故や違反の項目もあり、事故や違反通知が来た場合は記録が必要です。違反記録もデジタル化すれば漏れなく管理できます。

運送業の違反記録管理について
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修理記録管理

事故や違反をすると運転者台帳に記録しなければなりません。車両台帳にも修理箇所、必要となった経緯などの修理歴や事故発生日、事故詳細、事故処理結果などを記録します。

運送業の修理記録管理について
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指導記録管理

運転者への指導教育について記録した書類が指導記録管理簿。保存期間は3年と定められ、保管スペースの確保や書類を探し出すのが大変になるためデジタル化が望まれます。

運送業の指導記録管理について
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自動点呼管理

2023年11月より、国土交通省が設けた条件をクリアすることで実施が可能になった自動点呼。人力ではなく、システムによって点呼を行なう機能です。酒気帯び運転にならないか、疲労が溜まっていないかなどの確認。運行経路や道の状況に関しての指示などを自動化できます。

運送業の自動点呼管理について
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DXを推進しないと
本当にあるかも知れないちょっと怖いおはなし

事業成長の鈍化

DXの必要性は感じていても日々の業務が忙しかったり、社内にデジタルに明るい人材がいないため手つかずという運送業が少なくありません。しかし他の業界ではすでにDX化は進んでおり、気がついたら周囲から取り残されてしまったということになりかねません。

このままだと業務のデジタル化を進めた他社に仕事を奪われ、売上が減少するリスクもありますし、荷主のDX化に対応できずに取引停止になる可能性も考えられます。今後の事業成長のためには目先のことだけ考えるのではなく中長期的な視点が必要です。

業務効率の低下

運送業のデジタル化の最大のメリットは業務効率の向上です。アナログのままでも業務は動いているので大丈夫と考えている会社があるかもしれませんが、それは裏を返すと効率化が進まずに現状以上の仕事はできないことを意味します。

燃料費の高騰などの影響もあり、運送ルートの最適化や車両管理の見直しなど運送業では今まで以上に業務の効率化が求められています。アナログなデータ分析だけに頼ろうとすると限界があり、非常に手間もかかります。現状維持は事業の衰退リスクがあります。

人材不足

DX化が遅れると業務効率が改善されないため従業員にさまざまな負担がかかります。パソコンやタブレット端末による業務管理は今では珍しいことではなく、当たり前に行われています。アナログ業務のままではDX化が進んでいる他社に人材が流れてしまうかもしれません。

またドライバーの高齢化対策で若年層の人材を募集してもDX化が行われていないことで、入社希望者が集まらないことも考えられます。マイナスの情報はすぐに拡散されるため、時代遅れの運送会社というレッテルが貼られてからでは手遅れです。

会社環境に対する満足度の低下

まだ平気だと考えてデジタル化を進めないでいると、単に業務効率が悪いだけでなく従業員の士気や生産性が落ちてしまうことが懸念されます。いつまで経っても改善されない業務に対し、徐々に不平不満が募り労働の意欲が低下していってしまうからです。

意欲の低下は離職率を上昇させることになり、さらに人材不足につながる悪循環に陥ります。逆に考えれば、DX化により業務効率化が実現し、会社環境に対する従業員の満足度が上がれば好循環になるということです。完璧でなくてもできることから、まず始めることが重要です。

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運送業務のデジタル化・DX化でどのようなことを実現できるのか、詳しく解説しています。多くの企業でDX化が進む今、時代に取り残されないためにも、いち早く推進しましょう!