ここでは現在、運送業界が解決すべき課題についてリサーチしました。どのような理由で発生するのか、また対策方法として考えられることなどを紹介。運送業務デジタル化による効果についても解説します。
トラックドライバーの減少
運送業界でトラックドライバーが減少している要因としては、長時間労働など労働条件の悪さやドライバーの高齢化と若年層の減少、物流件数の増加に配送体制が追いつかないといったことが考えられます。
人手不足を解消するためには教育体制の整備・キャリアパスの構築、女性ドライバーの積極採用、労働環境の改善・ホワイト化などが求められます。管理体制を強化し、労働状況を改善するためには業務のデジタル化が有効です。
トラック運転者の高齢化
現在のトラック運転者の年齢は40~50代の中高年層が多く20代までの若年層が全体の1割程度と少ない傾向にあります。少子高齢化により若年層が大幅に増えることは期待できず、このままだと20年後に危機的な状況になります。
高齢ドライバーが抱える問題として体力の衰えや認知機能の低下による不安があります。今後も高齢ドライバーに活躍してもらうには安全対策の徹底、健康管理の強化、負荷の軽減、受け入れる環境や仕組みづくりが必要です。
荷待ち・荷役時間等による長時間労働
荷主の都合で荷物の積み下ろしや指示を待っている荷待ち時間が、違法な長時間労働につながることが問題となっています。数時間待っても荷主から追加料金が支払われることはなく時間外労働として扱われることも少なくありません。
そこで国土交通省の指導により荷待ち時間も含め、乗務記録の記載が運送会社に義務付けされました。これは実態を把握することで、運送会社と荷主が協力し、ドライバーの労働環境の改善を促進することを目的としています。
燃料価格の高騰
ロシアのウクライナ侵攻の影響で原油価格の高騰が続いており、トラック輸送業界は大きな打撃を受けています。軽油価格が値上がりする一方で価格転嫁が進んでおらず運送会社の経営を圧迫しているからです。
考えられる燃料高騰対策としては燃料サーチャージ制の導入、燃料消費を抑えるエコドライブ、業務の見直し・効率化によるコスト削減などがあります。またコスト削減には運送業務をデジタル化することが推奨されます。
EC市場の拡大に伴う物流量の増加
コロナ渦の影響による巣ごもり需要の増加でBtoCのEC市場の拡大。特に物販系の多頻度小口輸送が増加しました。そのため貨物量が半減する一方で物流件数が倍増し、3PL市場規模が拡大しました。
EC事業者が配送サービスを拡充したこともあり物流業務が煩雑化。在庫管理や受注管理、出荷・配送まで委託できるアウトソーシングサービス利用が増えているのです。こうしたEC物流の市場規模は今後も拡大すると予測されます。
DX化が進まない
運送業界ではその必要性は認めながらもDX化が思うように進んでいません。その理由として推進できるノウハウ・人がいない、デジタル化に関する理解不足などがあり、本業のみで手一杯という状況です。
しかしこのままDX化に取り組まずにいると周囲から取り残され、求職者や取引先からも避けられる可能性があります。運送業務をデジタル化できれば業務が効率化し人手不足などさまざまな課題を解決することが可能です。
物流業界でできるSDGsとは?
トラックで荷物を運ぶことの多い物流業界では、エネルギーや気候変動といった課題や目標を抱えています。また作業の過程で紙を使用している場合、電子化することで業務負担の軽減とともにSDGsへの貢献にもつながるでしょう。
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2023年10月からインボイス制度(適格請求書保存方式)がスタートしたことで、従来通りの経理作業や請求方法では問題になってしまうケースが生じています。運送業界におけるインボイスの影響や注意点についてまとめましたのでご確認ください。
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物流を担う企業にとって、トラブルやクレームの原因となる誤配。できればゼロにしたい誤配ですが、忙しい業務での確認不足や、日本特有の似通った地名の多さによって運送業界ではよくあるトラブルです。防止策としては、配送システムの導入やマニュアルの整備などが挙げられます。
再配達問題
ネットショップの普及によって近年特に増えている再配達問題。運送会社の配送コストが大きくなるのはもちろん、トラックから出るCO2の増大で環境的にも問題になっています。すでにリアルタイムの配達追跡や受け取り方法の多様化といった対策も。国土交通省も再配達削減に向けて取り組んでいます。
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置き配とはあらかじめ指定された場所に届ける配送方式で、受取人が不在でも荷物を受け取れる点が特徴です。便利ではあるものの盗難や破損といった問題が話題になるほど頻発しており、物流業界としての誠実な対応が求められています。
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DX化の推進に伴い、物流拠点・ハブ倉庫の進化も目覚ましいものがあります。運送業のホワイト化に欠かせない物流拠点のIoT化とともに、デジタルが物流業界の核を担っているといえるでしょう。
運送業のホワイト化と女性雇用
これまで男性が大半を占めていた運送業界において、女性の雇用を拡大することは、安定した人材確保の観点からも非常に重要です。たとえば、国土交通省は「トラガール促進プロジェクト」を通じて、女性ドライバーの活躍を積極的に支援しています。
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