運送業界における時間外労働の上限規制(2024年問題)や、コンプライアンス強化の波を受け、正確な運行管理と事故防止体制の構築が急務となっています。ここでは、アネストシステムの「BSS」と連動し、安全管理と労務管理を一元化するデジタコ・ドラレコ一体機「DT-01」の機能と仕組みについて解説します。
運行管理と事故防止における現場の課題
運送事業者の現場では、車両の運行記録、映像記録、そしてドライバーの勤怠記録がそれぞれ別のシステムで管理されていることが多く、管理者に大きな負担がかかっています。
- 管理の煩雑化:「デジタコ」「ドラレコ」「勤怠管理」のシステムが独立しており、データの統合や突き合わせに時間がかかる。
- リアルタイムな状況把握の難しさ:危険運転や労働時間の超過リスクが発生しても、帰庫するまで管理者が把握できず、迅速な指導や対策が打てない。
このような課題を解決するためには、車載器で取得した運行データと映像データをリアルタイムに統合し、労務管理までシームレスに繋ぐシステムが必要とされています。
BSSの新車載器「DT-01」の概要
「DT-01」は、運送業特化型システム「BSS(Business Support System)」と連動する、最大5カメラ(デジタル1・アナログ4)対応のデジタコ・ドライブレコーダー一体型機器です。
4.3インチのカラータッチパネル液晶を搭載し、直感的な操作が可能です。また、通信(クラウド・LTE)によるリアルタイム運用と、SDカードによる運用の両方に対応しており、運行車両は通信、集配車両はSDカードといった「混在運用」も可能など、企業の規模や業務形態に合わせた柔軟な導入ができるのが特徴です。
リアルタイムな「安全支援」と「労務管理」
DT-01は、ドライバーの安全運転と法令遵守を車載器側から直接サポートする機能を備えています。
- 労働時間・休憩時間の音声警告:
車載器が連続運転時間や拘束時間をリアルタイムに算出し、法定上限に近づくと「長時間運転です。休憩してください」といった音声ガイダンスで警告を発します。これにより、ドライバー自身の意識づけと過労運転の防止を図ります。 - 道交法違反の自動検知:
一時不停止、踏切不停止、逆走、速度超過など、事故に直結しやすい違反をシステムが自動検知します。通信運用の場合、該当部分の動画が自動的にクラウドへ抽出・送信されるため、管理者は迅速な状況把握と的確な指導を行うことができます。
確実な記録を残す「2カード式動画管理」と「拡張性」
万が一の事故時における証拠保全と、日々の運行記録を両立させるため、ハードウェア面でも工夫が施されています。
- 2カード式の記録体制:
DT-01はSDカードスロットを2つ搭載しています。「デジタコデータ・イベント動画用」と「高画質な常時録画用」に記録領域を分けることで、長時間の常時録画を確保しつつ、重要なイベントデータの上書きを防ぎます。 - 将来を見据えた拡張機能:
ETCとの連携による速度帯の自動切り替えや、居眠り・脇見検知装置との連動、冷凍機の温度センサー連携など、豊富なインターフェースにより将来的な機能拡張にも対応可能です。
スマホアプリやクラウドとのシームレスな連携
DT-01の最大の強みは、取得したデータがBSSのクラウド上で一つに統合される点にあります。
ドライバーのスマートフォンアプリ「BSS phone」で入力された出退勤や給油、日常点検のデータと、DT-01の運行データが紐づくことで、精度の高い「出勤簿」や「運転日報」が自動生成されます。
また、クラウド上の動態管理画面では、車両の現在位置や積載状況、労働時間の超過アラートなどを一目で把握できます。抽出されたヒヤリハット動画は、点呼時の教育コンテンツとしてもそのまま活用できるため、日々の安全教育の質向上にも大きく貢献します。
まとめ
新型デジタコ・ドラレコ一体機「DT-01」は、単なる映像記録装置ではなく、取得したデータを労務管理や安全教育にフル活用するためのソリューションです。システムがバラバラであることによる非効率を解消し、コンプライアンスの遵守と事故防止を高いレベルで実現するための基盤となります。
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